スムーズに辞めるための多少のウソ
円満退職をするためについてしまう「ウソ」がある
本音を言えばあまりいい理由ではないけれど、システムエンジニアの仕事を後腐れなく辞めたいと思った時に、ウソの退職理由を使う人もいます。本当は今の職場で働くことがただイヤになっただけということが理由なら、さすがにそのまま上司には言いにくいのは無理のないことです。そこで、「家族の介護がある」「結婚をする」などのやむを得ない事情を持ち出すと、引きとめられることも白い目で見られることもなく退職することができるのは事実なので、ウソの理由で円満退社に持ち込もうとするわけです。ウソかどうか確かめようのないことは、会社側にはどうすることもできないので、本人が伝えてきた退職理由を信じるしかないので、ウソが発覚しなければ特に問題ないと考える人も多いようです。
ウソは必ずどこかでわかってしまうと思っておいたほうが安全
自分では完璧なウソをついたつもりでも、どこかでほころびが出てしまうことが実は多いものです。ウソの退職理由を伝えてくる人がいることも会社はわかっているので、無難な退職理由をすんなりと受け止めたようで、実は疑っている可能性も十分にあります。また、家族の介護や結婚などの事情で退職を申し出る場合、会社側が労働条件を変えてでも引きとめにかかってくる可能性があります。そこでウソをついている状態だと、ウソにウソを塗り重ねることになるので、どこかで矛盾が出てきてしまう可能性が高くなります。
ウソをついてしまうことの弊害は大きい
退職した会社の人との人間関係が続く場合や、どこかでまた一緒に働くことになる可能性、プライベートでばったり会う可能性など、ウソをついて別れたはずの人にどこかで出会う可能性はゼロではありません。「重病の家族を介護する」と言っていたはずなのに元気な家族と出歩いている様子をキャッチされてしまえば、すぐにウソはバレてしまうでしょう。ウソは便利なものに感じるかもしれませんが、長年かけて培ってきた信頼を一瞬で失わせる効力のある恐ろしいツールでもあります。また、ウソをついて退職してしまうと罪悪感で後ろ髪を引かれるような思いをするかもしれません。
一番いいのは正直に退職理由を話すことです。ただし、不満や愚痴をそのまま正式な退職理由にするのではなく、「他にやりたい仕事ができました」など、次にやりたいことにつなげるような理由にすると、ストレートには言えない本音を柔らかい印象の理由に変えることができるでしょう。退職理由をどう話せばいいのかは誰もが悩むことなので、安易なウソでごまかしてしまうのではなく、説明の仕方を工夫するための努力をしたいものです。